最近ではアハ体験などテレビでもお馴染みの茂木健一郎先生の共著作。
コンピュータサイエンスにおける現時点での限界と今後の可能性について脳科学者の視点でまとめてあり、基礎、前提から丁寧に説明してあるため、非常に分かりやすく、興味深い。
特に、チェスの世界チャンピヨンとIBMのスーパーコンピュータの思考プロセスの違い(世界チャンピヨンは、数秒で差し手が浮かび残り時間でその裏づけを行うに対して、コンピュータは、しらみつぶしにパターンニングを行い解=差し手を導き出す)や、コンピュータの電子回路と脳神経回路の違い(コンピュータが1秒間に数十億回の命令を実行できるのに対して、人間のニューロンはたかだか1秒間に100回程度しか反応しない)など、興味深い事例も多数掲載されており、著者の主張を理解する上でも十分な助けとなる。
本書は、情報技術の発展からコンピュータと人間の能力的距離が縮まりつつあるように感じられる昨今、人間しか持ち得ていないものは何か?またさらにそれをコンピュータ側が習得するには、どうアプローチすべきか?という命題に対して、「数値化しにくいが確実に存在する部分」を認め、そこにスポットを当てることによって全体を像を照らし出そうとアプローチしている。
右脳と左脳を行ったり来たりしながら読み進めていくと、何か日々の生活にブレークスルーが起きそうな予感がしてくる。
マトリックス3部作(特に後半2作)や攻殻機動隊の世界観に興味がある人や、イノベーション系エンジニアの方にお勧めです。
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脳とコンピュータはどう違うか
ラベル: Review-Book
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